【テレビ】100分de名著
実写の岸田今日子さんが怪演してたという情報しか無い状態で視聴。
砂漠に昆虫採集に来た教師が、爺に騙され、ちょっと宿を借りるだけだったアリジゴクの底に住む女と暮らす羽目になるというストーリー。
当然、教師は脱出を試みるが…。という話
最初は、フランツ・カフカの「変身」みたいだなー、という印象。
しかし、解説ヤマザキマリさんの「この小説の砂や壁はあくまで比喩的なもの」という話を聞いて目からウロコが。
これって、新しい社会に飛び込む時や、戦火の人や、被災地の人、全てに置き換わるやん!!
自分のアイデンティティや価値基準は、今の環境下だから成り立つものであり、その環境が変われば一抹の意味もないモノになってしまう事。
それを、砂の底に住む女との暮らしという普遍的なもので伝えている。
まさに名著。
ラストの伏線回収が、人生捨てたもんじゃないと思わせてくれるし、余韻が残る考察させてくれるラストもスゴい。
さすが、ノーベル文学賞取れたかも知れない作家だわ。
私も、価値基準見直してみよう。